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ソリューション事例

商社を超えたソリューションで、
カメラセンサーを「熱」から守る。
Background
ソリューションの背景
東レ製品×独自の付加価値。
「自社製品」だから可能な課題解決へ。
わずか0.1mmという厚さのなかに、約1000層ものフィルムが積み重なる——東レのナノ積層フィルムPICASUS®は、各フィルムの厚みを高精度にデザインして得られる波長選択性が特長です。たとえば、金属を用いずに金属調光沢を生み出すことでデザイン性と電磁波透過性の両立に貢献。優れた電磁波透過性と成型性も併せ持ち、スマートフォン、パソコン、家電、自動車といった幅広いジャンルで機能性加飾用途に採用されています。東レインターナショナルは、それぞれに特性の異なるPICASUS®のラインナップに独自のソリューションを複合。付加価値の高い自社製品として提供し、お客様の課題解決に商社という枠を超えて貢献しています。
Our Solution
東レインターナショナルが提案したソリューション
調達から品質保証まで。知見のすべてを、
カメラセンサー向けのソリューションに注ぐ。
PICASUS®のラインナップの一つであるPICASUS® IR。ナノ積層技術をより深く追求し、ガラスに匹敵する透明度と、赤外線反射による遮熱性能を実現しています。その特性に着目したお客様からリクエストをいただき、カメラセンサーにPICASUS® IRを用いたソリューションを提供しました。お客様側での加工において熱が加わることから、PICASUS® IRの両面に耐熱保護フィルムを貼合した自社製品として提案。これまでの知見を駆使してフィルム材料や加工方法の選定を行ったほか、社内に設立された開発・品質保証グループとの強い連携によって品質面におけるハードルを粘り強くクリアし、量産に至りました。
Interview
担当者の声

フィルム部グローバル事業課
2020年入社
自社製品にこそ刻まれる、
東レインターナショナルの存在意義。
東レのPICASUS®は、さまざまな可能性を秘めた製品です。東レグループの商社としてPICASUS®を扱う私たちも、お客様から持ち込まれるリクエストによって、改めて用途の幅広さに気づかされることが少なくありません。「熱に弱いカメラセンサーを、PICASUS® IRの遮熱効果で守る」——今回のテーマも、当然のように前例がないものでした。一方で、私たちが調達するPICASUS® IRはあくまでも原反。お客様の課題解決に貢献できる価値を私たち自身の手で付加し、自社製品として提供してこそ、東レインターナショナルの本領発揮といえます。
今回のプロジェクトでまず向き合うことになったのは、加熱に伴う課題でした。お客様側でPICASUS® IRに特殊な加工を施す際、PICASUS® IRの表面が加熱されます。両面に耐熱保護フィルムを貼ることで対策できるのですが、保護フィルムとPICASUS® IRは材質違いによりトラブルが発生。その抑制に向けたソリューションが必要とされたのです。
実績に裏打ちされた、
メーカーレベルの知見と組織。
ソリューションを生み出すにあたって、東レインターナショナルが提供できた価値は大きく2つあると考えています。まず、商社でありながら、材料や加工に関する知見が豊富に蓄積されていること。私たち自身が工場を持つわけではありませんが、お客様として、またはサプライヤーとして、多くの加工メーカー様とビジネスを展開しています。もちろん、東レのエンジニアとも緊密なコミュニケーションを取ることが可能です。また、要求される品質を満たすうえで、加工メーカーの選定も行います。こうしたフレキシビリティは、むしろ自社加工ではないからこそ持ち得たものだと思います。
さらに、自社内に開発・品質保証グループが設置されていること。協力を重ねながら体制を構築し、自社品質保証品としての提案を実現しました。設立からまだ日が浅いグループですが、将来に向けて、さらに付加価値の高いソリューションを提供していくうえでの礎が築けたのではないでしょうか。
徹底的にお客様を理解する。
その姿勢が、ソリューションに実る。
きめ細やかな材料選定と加工の積み重ねによって改善した製品は、オーダーメイドと呼べるほどのオリジナリティを獲得しました。それゆえに、量産に至る道程ではさまざまな課題にも直面しましたが、一つひとつ乗り越えながら数年越しのプロジェクトに伴走し、最終製品の上市に至ったことを誇らしく感じています。
私自身が強く意識していたのは、徹底的にお客様を理解することでした。製品がどう使われるのか。何が課題になり得るのか。可能な限りヒアリングを尽くし、改善要望には丁寧に、親身にお応えすることを心がけてきました。材料調達や加工の調整、在庫管理、輸出の手配など、メーカーとして求められる業務のすべてに携わることで、全体を俯瞰した適切な行動にも結びついたのではないかと自負しています。これからも東レインターナショナルの強みを最大限に活かしながら、自社製品を通じたグローバルな貢献を推進していきたいと願っています。