ソリューション事例

東レグループの力を結集して導いた、
SDGsへの2つの回答。

Background

ソリューションの背景

SDGs対応はアパレルビジネスの必須条件へ

2015年の国連サミットで採択されたSDGsは、持続可能な世界を目指す国際目標です。なかでもファッション業界は、製造にかかるエネルギー使用量やライフサイクルの短さなどから環境負荷が非常に大きく、国連貿易開発協会(UNCTAD)はファッション業界を「世界第二の汚染産業」と厳しく指摘しています。こうしたことから、近年、欧米では繊維製品廃棄を抑制する動きがでていることもあり、アパレル業界ではさらに環境対応にしのぎを削っています。もはやアパレル事業を行ううえでサステナビリティへの対応は必須条件になりつつあります。

Our Solution

東レインターナショナルが提案したソリューション

循環型社会の実現に向けた2つの回答

大量生産・消費・廃棄から脱却し、循環型社会の実現に向けて東レインターナショナルができることとは何か。その回答が高耐久レインウェアTORAIN™と、東レの特殊スパイラル構造の中綿を用いたストレッチ性のある中綿3DeFX+®です。TORAIN™は加水分解に強い表地と、縫製部分に東レグループが開発した加水分解しにくいシームテープを用いることで、10年相当の使用に耐えられるレインウェア。より長く使用することで無駄な廃棄を削減します。3DeFX+®は複数のらせん構造の繊維が3D状に絡み合うことで、高いストレッチ性、保温性、快適性を持ち、軽量でコンパクトな中綿ウェアとして利用されています。材料にはリサイクルポリエステルを50%使用しています。

Interview

アパレル製品第2部海外事業課
2021年入社

欧米市場でのサステナビリティへの対応は前提条件

私が所属する海外事業課では、TORAIN™と3DeFX+®というサステナブルなソリューションを広くアピールするために、さまざまなプロモーションを展開しています。とりわけ海外ではサステナビリティへの意識がとても高く、素材に関してもリサイクルやオーガニックなど、サステナビリティに配慮している製品でなくては関心も持ってもらえません。ビジネスに参加すること自体できないのです。そのため、国内外の展示会に参加し、TORAIN™と3DeFX+®の高い環境配慮性と機能性を訴求し、認知度の向上を図っています。2023年には私もドイツで開催された世界最大級のスポーツ・アウトドア製品の展示会「ISPO Munich 2023」に参加し、世界のアパレルメーカーと商談を進めてきました。また国内でもエシカルやエコなどサステナビリティを意識したファッション製品・素材が世界中から出展される「サステナブルファッションEXPO」やアジア最大規模のトレイルランニングの祭典「ULTRA-TRAIL Mt.FUJI」にブースを出展し、個人のお客様、エンドユーザーにも東レインターナショナルの取組みを紹介しています。

ヘビーユーザーから高い評価

国内の展示会には一般のお客様が多く参加されますが、TORAIN™と3DeFX+®の両方とも概ね高い評価をいただいています。TORAIN™のインスタグラムアカウントフォロワー数は、東レグループの繊維系アカウントでは最大クラスです。会場では「どの製品に3DeFX+®が使われていますか?」という質問も多く寄せられました。また展示会での出展を重ねるたびに「前回も出てましたね!」「この前お店で見かけました!」といった声もかけていただき、肌感覚として確実に認知度がアップしていると実感しています。サステナビリティに対応したという製品コンセプトはもちろんですが、東レの技術を結集した機能性の高さ、製品の快適性が、実際に登山やトレイルランニングを楽しむヘビーユーザーに認知され、支持されているのだと思います。実際、衣料製品の劣化を計測する加速劣化試験「ジャングルテスト」で10年間分の試験を経ても劣化しない、加水分解現象が見られないレインウェアは、ユーザーにとって、まさに「こういうモノが欲しかったんですよ」というニーズの真ん中にヒットする製品だと自負しています。

3DeFX+®は生産背景も含めて
製品ブランドを訴求

東レインターナショナルは、ベトナムのクアンガイに自社縫製工場を設立、2021年から稼働しています。ここでは世界のアパレルメーカーの依頼に応じて3DeFX+®を用いた製品を縫製、OEM提供しています。実はこの自社工場もSDGsを強く意識しており、グリーンビルディングの認証プログラムLEED認証を取得しています。排水の再利用やソーラーエネルギーを活用するほか、工場周辺の緑化も行うことで、生産背景も含めて製品ブランドを訴求しようという試みです。繰り返しになりますが、欧米ではサステナビリティへの対応がアパレルビジネスに参加するための必須条件です。そして、その流れはいずれ日本にも押し寄せてくるでしょう。いちはやくサステナビリティに取り組んだ東レインターナショナルの優位性が発揮されるのは間違いありません。東レの高度な技術を用いて作られた素材を、当社の商社機能を活かして適切な生産背景を選定し、縫製品にし、お客様へ納めるという一貫した提案が可能なのも東レグループだからこそできることです。東レインターナショナルは、東レの高度な技術を、技術だけの提案にしてしまうのではなく、アパレルビジネスをよりサステナブルにしていきたいと思います。