経営理念

東レグループは、1926年の創業以来、「企業は社会の公器であり、その事業を通じて社会に貢献する」との経営思想の下、社会から尊敬される企業体として存在することを目指してきました。1955年にはこの考え方を初めて明文化した「社是」を制定し、創立60周年を迎えた1986年には現在の「企業理念」を最上位とする経営理念体系を整備しました。この経営理念は一部改定しながら受け継がれており、2020年5月に長期経営ビジョン“TORAY VISION 2030”の発表に合わせて「東レ理念」として創業以来の考え方を改めて体系化しました。

「東レ理念」は、従来の経営理念である「企業理念」「経営基本方針」「企業行動指針」に加え、企業理念を具現化するための企業姿勢を端的に示した「コーポレートスローガン」、東レグループが将来に向けて進む方向性を示した「ビジョン」、これらの考え方の基礎となる創業以来受け継いできた価値観・経営観などの「企業文化」、「経営者の信条」から構成されています。

企業理念

わたしたちは新しい価値の創造を通じて
社会に貢献します

経営基本方針

お客様のために

新しい価値と高い品質の
製品とサービスを

社員のために

働きがいと公正な機会を

株主のために

誠実で信頼に応える経営を

社会のために

社会の一員として責任を
果たし相互信頼と連携を

企業行動指針

安全と環境

安全・防災・環境保全を最優先課題とし社会と社員の安全と健康を守るとともに持続可能な社会の実現に貢献します

倫理と公正

社会的規範の遵守はもとより、高い倫理観と強い責任感をもって公正に行動し社会の信頼と期待に応えます

お客様第一

お客様に価値の高いソリューションを提供しお客様の満足と世界最高水準の品質を追求します

革新と創造

企業活動全般にわたる継続的なイノベーションを図りダイナミックな進化と発展を目指します

現場力強化

相互研鑽と自助努力により企業活動の基盤となる現場力を強化します

連携と共創

グループ内の有機的な連携と外部との戦略的な提携により新しい価値を創造して社会とともに発展します

人材重視

社員に意欲をもって能力を発揮できる職場環境を提供し人と組織に活力が溢れる風土をつくります

情報開示

企業情報の適切な開示とステークホルダーとのコミュニケーション促進により経営の透明性を維持します

人権尊重

良き企業市民として人権尊重の責任を果たします

コーポレートスローガン

Innovation by Chemistry

「Innovation」は、①企業理念「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」を革新技術・先端材料の提供を通じて具現化すること、②技術の革新のみならず、企業活動の全ての領域で「Innovation」に挑戦していくことを表明しています。 「Chemistry」は、①「化学」を核にして先端材料を提供し、お客様、社員、株主、取引先、消費者、地域社会など、東レグループを取り巻く全ての人たちとの良好な関係を保ちながら、新しい価値を創出し持続可能な社会の発展を支えること、②東レグループの各企業や世界各国の事業拠点同士が「連携、融合」することを表明しています。

ビジョン

東レグループ サステナビリティ・ビジョン

「東レグループ サステナビリティ・ビジョン」は、2050年に向け東レグループが目指す世界とその実現に向けて東レグループが取り組む課題を明らかにし、そのマイルストーンとして2030年度に達成を目指す数値目標を示しています。

東レグループの使命は、人口増加、高齢化、気候変動、水不足、資源の枯渇など世界が直面する「発展」と「持続可能性」の両立をめぐる地球規模の課題に対し、革新技術・先端材料の提供によって、本質的なソリューションを提供していくことです。「自らの成長が世界の持続可能性に負の影響を与えない努力を尽くすとともに、全世界のパートナーと共に、パリ協定や国連SDGs(持続可能な開発目標)をはじめとする世界的目標の追求のために、全力を尽くしていくこと」の宣言は、東レグループが将来に向けて進む方向性を示しており、長期経営ビジョン“TORAY VISION 2030”の基礎となるものです。

企業文化

事業を通じた社会貢献

東レグループは、社会への奉仕の精神を経営の柱として、企業の社会性、公共性を自覚して、たゆまぬ努力を重ねて発展してきました。その志は、企業理念「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」にも表れています。事業を通じた社会貢献とは、革新的な素材、新しい価値の創出によって地球環境問題や資源エネルギー問題、そして、健康長寿社会の実現など、地球規模の社会的な課題の解決に貢献することです。

人を基本とする経営

東レグループは、創業以来、良き社会人を育成し、社員のモチベーションを向上させて、社内を清新の気で満たすことに努めてきました。「企業の盛衰は人が制し、人こそが企業の未来を拓く」との考え方は、国内だけでなく海外にも広く展開され、各国・地域の慣習や、社会の考え方の違いを尊重しながら、グローバルに「東レ理念」を実践しています。

長期的視点に立った経営

東レグループでは、先端材料へのこだわりと、「一つのことを深く掘り下げていくと新しい発明・発見がある(深は新なり)」という「極限追求」のDNAが受け継がれています。時代の要請に基づく社会的課題を長期的視点で捉え、その解決に向けて革新的技術・先端材料の研究・技術開発、および事業開発・育成に取り組んでいます。

開拓者精神

東レグループは、企業発展の推進力として研究・技術開発を重視し、たゆまぬ研究・技術開発と生産技術の向上に努めて、優れた技術、高度の科学を人々のより良い生活に結び付けてきました。また、研究・技術開発、生産技術以外の分野でも新たな試みに果敢に挑戦してきました。各人が開拓者精神を持って行動するとともに、一緒に働く人々が互いの個性と自主性を尊重し合い、総合力を発揮して大きな成果に繋げる気風があります。

経営者の信条

基本に忠実にあるべき姿を目指してやるべきことをやる

事実を徹底的に洗い出し、現状の問題点とその本質原因、あるべき姿とその実現に向けた課題を明確にすれば、自ずとやるべきことは明確になります。課題解決には、周りを巻き込んで全体をコーディネートして、実行をリードする必要があります。状況の変化に応じて、的確に対応し、スピード感を持って結果を出すことが重要です。

答えは全て現場にある

問題解決において、現状把握、現状分析による事実の整理と徹底した原因究明が重要です。現場をよく見て、本質原因の把握・分析ができれば、自ずと「やるべきこと」が明確になります。

For the Company

企業理念の実現を最優先に考えて行動することが重要です。「世の中、全て正しいことをやっている」という考え方で他者と向き合い、立場や意見が異なる者と徹底的に話し合うことで、個人や組織にとっての「個別最適」ではなく、会社全体・社会全体にとっての「全体最適」を目指して行動すること、また「個別最適」と「全体最適」を一致させる仕組みづくりが重要です。

正しいことを正しくやる、強い心

さまざまなプレッシャーや誘惑に負けそうになるときに、大事なことは誠実(嘘偽りなく正しくあること)であり、真摯(真面目で熱心でひたむきであること)であり、そして自分の決めた道を迷うことなく進む強い覚悟です。それが東レグループの強い心であり、一人ひとりが現場で正しいことを正しくやることで、強い東レグループを築き上げます。