INTERVIEW

新しい生地開発への挑戦を通じて、 繊維業界活性化の一助になりたい。
繊維加工技術部テキスタイル技術課
工学部材料開発工学科
2021年度入社
CAREER 2005年 丸編み機メーカー

東レインターナショナルに入社を決めた理由を教えてください。

大学卒業後、16年間丸編み機メーカーに勤務し、編機エンジニアとして、機械据え付けやメンテナンス、顧客希望の編地設計や編地開発業務に従事していました。業務を通じて感じていたのは、日本の繊維業界の元気のなさです。新しい経験や技術を習得するのは、繊維業界が活発な海外出張時などが多く、日本では元気のない情報ばかりが入ってきていました。そんなとき、東レグループの展示会を訪問した際、非常に活気があったことが印象的でした。東レグループのフィールドであれば、日本でも様々な知識や新しい生地に出会え、新技術に挑戦できると思い入社を決めました。

所属部署の役割と現在の仕事内容を教えてください。

所属するテキスタイル技術課は、高次加工技術に関連した技術・商品開発や生産技術を支援する部署。東レグループのアパレル部隊や国内外生産委託先へ技術支援を実施しています。高次加工技術とは、紡績、糸加工からはじまり、編成、製織、染色、縫製、素材・商品設計・評価の一連のアパレルをはじめとした繊維加工品に対する技術を指します。その中で私は、長年培ってきた知見である編みを中心に生地を担当し、お客さまニーズに応じた生地を生み出すことをミッションとしています。また、繊維加工品の品質における課題解決に関する技術支援にも取り組んでいます。

お客さまのニーズとはどのようなものなのでしょうか?

私たちは、営業担当がキャッチした衣料小売店等のお客さまからのオーダー、あるいは社内デザイナーからの要望を受けて生地の検討を進めます。求められるのは生地の風合いに加えて、機能性などの付加価値。たとえば夏季であれば接触冷感性、冬季であれば吸湿発熱性、他にもUVカット機能や抗菌・消臭性など、幅広いニーズがあります。さらにこれらは単に機能性を持たせるだけでなく、お客さまが設定した基準値をクリアする必要があります。その実現のために各加工工程で検討が進められますが、私の担当の編成では「編組織の改善(編み方の改善)」で物性や機能に付加価値を持たせる取り組みを進めています。

印象深い取り組みを教えてください。

入社以来、大阪の繊維加工技術部に配属され、アパレル部門などの繊維技術支援を実施してきました。東レの糸を使用した編地(あみじ=糸を編んで作った布状のもの。ニット)開発や、様々な顧客向けの多彩な編地開発に携わりました。その中で、あるお客さまのニーズに対応したことは印象に残るものとなりました。お客さまのニーズは生地の風合いが、厚みを持たせつつ柔らかなものであること。その風合いを実現するために、編地設計変更にて改善し、顧客満足を得る生地が必要であることを改めて実感しました。

仕事のやりがいを教えてください。

当社は非常にモチベーションが高い人が多い印象を受けています。お客さまのニーズ以外に、社内の様々な部署から生地への要望が届くのもモチベーションの高さを示していると思います。その多くは、前向きの発言・提案であり、このような環境にいること自体にやりがいを感じています。また部内には、様々な分野の経験者が在籍しており、テキスタイルの深い知識を身近に吸収することができること、日々新しい生地に出会えるチャンスがあることなど、テキスタイルの技術者として成長できる環境であることを実感しています。

これまでのキャリアはどのように活かされていますか?

前職の編機エンジニアの業務は、丸編み機だけに携わるのでなく、編機が生み出す編地にも深く関わる仕事でした。その経験は、現在の生地開発時の風合いや機能性及び物性向上のため編地設計・編地開発に活かすことができています。また、国内外生産委託先への開発提案や生地改善個所を提案する際、編機の細かなところを熟知してきた経験も活かされていると思います。現在、生産委託先は海外工場が中心になりますが、出張ベースで訪問する機会が多々あります。日本とは異なる繊維業界の活気に、いつも元気付けられています。

今後、挑戦したいことを教えてください。

前職では、編関係の知識中心であったため、知識や経験も一分野に限られていました。現在進行中ですが、様々な経験をさせていただける環境であり、部内には分野ごとのプロフェッショナルが在籍しているため、今後さらなる多様な高次加工技術習得を目指していきたいと考えています。お客さまのニーズに応えるのと同時に、中長期的視点で、時代や環境の変化を見据え、自分たち発信による新しい生地開発に挑戦していきたいと思っています。そうした取り組みを通じて、日本の繊維業界活性化の一助になれればと考えています。

AFTER WORK

休日は、子どものサッカー三昧となっております。私自身サッカー経験がないため、一緒にリフティングやサッカーチームから送付されてくる課題動画などで、子供と一緒に切磋琢磨競い合って練習しています。夏は、毎年真っ黒に日焼けしています。

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