
Responsibly Engineered——
すべてに責任を持つことで到達した、
現在地。そして未来。
五十嵐 昭孝、藤本 祥仁
2013年にデビューした3DeFX+Ⓡ。
革新的な新ジャンルとして注目を集め、着実に世界へと浸透してきました。
いまも広がりつつあるその可能性と展望を、3DeFX+Ⓡに関わり続けてきた2人に聞きました。

1991年、東レ株式会社入社。東レインターナショナル株式会社ユニフォーム・海外事業室海外事業課長として3DeFX+Ⓡを立ち上げ、顧客へのアプローチ、サプライヤーの開拓、縫製工場への投資などを現在に至るまで手がけている。2026年4月、アパレル事業企画管理部長に就任。3DeFX+Ⓡの名付け親。

2008年、東レ株式会社入社。東レインターナショナル株式会社ユニフォーム・海外事業室海外事業に所属していた2013年に、五十嵐のもとで営業担当として3DeFX+Ⓡのスタートに携わる。その後、アメリカや香港の現地法人を経験しながら、3DeFX+Ⓡのマーケティングとセールスに関わる。
「+」に込めた進化への覚悟。
五十嵐3DeFX+Ⓡのデビューから、もう十数年になるんですね。2013年の販売開始時は、『アクティブインサレーションウェア』——ストレッチ性と保温性、通気性を兼ね備えたウェア——と呼ばれる、新たなジャンルを生み出すことができた。そう自負していましたが、いま、その裾野が確実に広がっていることを感じています。
藤本最初はハンティングやスキーといった激しいアウトドアスポーツ、いわゆるトップゾーンで認められて、特にアメリカのアパレルメーカーに支持されました。それからいわば逆輸入のように、日本でも広がり始めた。品質の高さが知られるにつれて、日常的なライフウェアに採用されることも増えてきています。
五十嵐3DeFX+Ⓡそのものも進化しています。暖かさに特化した「HT」や撥水性に優れた「WR」、ファイバーボールのようなかさ高性をシート綿で実現した「FB」といったバリエーションも生まれました。
藤本3DeFX+Ⓡの名付け親は五十嵐さんですが、「+」には「進化し続ける」という思想が込められています。たとえばGoogleが、ベータ版のリリースを重ねながらユーザーのフィードバックを受け、製品やサービスを進化させていくように。ローンチが終わりではなく、始まりになるブランドにしたかった。その思想はいまも変わることなく、3DeFX+Ⓡに息づいていますよね。

オープンであること。サステナブルであること。
藤本いま私たちが挑んでいるのは、消費者へのダイレクトなアプローチです。3DeFX+Ⓡの存在は、「中綿ウェアブランド」としてアパレルメーカーには徐々に浸透してきた。一方で、消費者からの認知度は決して高くないのが現実です。「3DeFX+Ⓡがほしい」という声が消費者から上がり、アパレルメーカーに届くほど大きくなっていく。そんな状況をぜひ生み出したい。
五十嵐そのためのマーケティングチームも新しく立ち上げました。3DeFX+Ⓡのエッセンスをボーダレスに表現した映像など、消費者に確実に届くプロモーションの開発に取り組み始めています。
藤本我々には、2021年に掲げた「Responsibly Engineered/リスポンシビリ・エンジニアード(RE)」という欧米向け縫製品事業のミッションがあります。この「RE」こそ、これからのプロモーションの核心だと感じています。直訳すれば「責任を持って製造する」ということですが、そこには本当に大切な想いが込められている。3DeFX+Ⓡは中綿だけのパーツではなく、ガーメント——つまり、完成した衣類としてのブランドです。デザインから縫製に至るまで、中綿の性能を最大限に引き出せるものづくりを、私たち自身が責任を持って行ってきました。
五十嵐まずアメリカで受け入れられたのは、AppleやTeslaがある国だからかもしれませんね。パーツからエンドプロダクトまで、バーティカルに手がけるスタイルが理解されやすかった。もちろん「中綿だけを売ってほしい」というご要望も多かったのですが、基本的にお断りしてきました。責任のあるものづくりを一貫させ、考えうる最高の品質を維持することが、私たちにとっては目先の契約よりもはるかに重要だったからです。
藤本失った商機もありましたが、それ以上に恩恵が大きかった。3DeFX+Ⓡを採用してくださったお客様とのコミュニケーションが、格段に濃くなったこともそのひとつです。ただ素材を提供するだけに比べて、圧倒的にお客様との接点が増え、意見を交わす機会が増える。その意見を製品に反映することで「ちゃんと聞いて、ちゃんと生かしてくれる」という評価につながり、さらに深いリクエストが寄せられるという循環です。進化形である「HT」や「WR」も、じつはお客様の声をヒントに生まれたもの。いわば、お客様とのオープンイノベーションですね。
藤本「RE」は、3DeFX+Ⓡがサステナブルであるためにも欠かせません。3DeFX+Ⓡは我々の自社工場及び我々が管理するパートナーの縫製工場で製造されています。私たちにしかない高難易度の縫製技術を提供するために始めたことですが、その結果、末永くご愛用いただける一着をお届けできる。アパレル業界でサステナブルといえば、原材料のリサイクル率ばかりに注目が集まりがちです。もちろん私たちもリサイクルには力を入れていますが、長く使い続けられることも、非常に本質的なサステナビリティだと思います。
五十嵐LEED認証の取得や再生可能エネルギーの導入など、工場そのものの環境対応も総力で進めています。リサイクル率という数字だけでは測ることのできないこうした取り組みについても、ぜひ知っていただきたいですね。

イノベーションこそが本質。
藤本3DeFX+Ⓡのイノベーションはこれからも続いていきます。ただ、たとえばロードマップのような形で、その未来を固定したくはない。むしろ、偶然に委ねる余地を残していきたいと思っています。最新の進化形である「FB」は、ある社外の製造業社の方との出会いから生まれました。中綿は、重くするほど暖かくなるのが常識です。ところが一定の重さを超えると、暖かさが増えていかないことがわかった。足踏みしていた時、その製造業社の方とつながり、ソリューションのきっかけがもたらされたのです。製品化までは2年ほども試行錯誤したのですが、一つの目的に向かって粘り強く協働できたことは、日本のものづくりの底力を見せつけられたようで非常にうれしかったですね。「RE」という確固たるベースがあるからこそ、偶然も味方につける、オープンなイノベーションが可能になるのだと思います。
五十嵐まさに、すべての責任を私たちが背負ってきたからこそ実現できたイノベーション。そのポリシーは最初から変わっていませんが、「RE」として明文化されたことで、ストーリーとして届けやすくなりました。
藤本これまでもこれからも、イノベーションこそが、3DeFX+Ⓡのエッセンスです。そのことを、新たなマーケティングチームとともに、さまざまなプロモーションで力強くお伝えしていきたいと思っています。
